桂奈美

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かつら なみ
桂 奈美
本名 不明
生年月日 (1945-09-02) 1945年9月2日(78歳)
出生地 日本の旗 日本 東京都
職業 女優、元モデル
ジャンル 劇場用映画成人映画
活動期間 1964年 - 1972年
主な作品
熱い夜』(1965年)
悲器』(1966年)
引き裂かれたブルーフィルム』(1969年)
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桂 奈美(かつら なみ、1945年9月2日 - )は、日本の女優、元モデルである[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14]。本名不明[1][5][9]

人物・来歴[編集]

成人映画の時代[編集]

1945年(昭和20年)9月2日、第二次世界大戦の終戦直後の東京都に生まれる[1][5][9]

学歴等は不明であるが、最初のキャリアは写真モデルであった[1]。『日本映画俳優全集・女優編』は、1965年(昭和40年)7月4日に公開された成人映画『熱い夜』(監督岡野進)で映画界にデビューしたとしているが[1]デジタル・ミームが所蔵する16mmフィルム上映用プリントのリストには、桂をメインにキャスティングした作品として『女の十戒』(監督片岡均)が挙げられており[13]、同作は、『熱い夜』に先行する1964年(昭和39年)6月に公開されている[15]。『日本映画発達史』の田中純一郎は、同書のなかで黎明期の成人映画界のおもな出演者として、扇町京子橘桂子、城山路子(光岡早苗と同一人物)、内田高子香取環新高恵子松井康子西朱実朝日陽子火鳥こずえ華村明子森美沙湯川美沙、光岡早苗、路加奈子有川二郎里見孝二川部修詩佐伯秀男の名を挙げているが、桂の名は挙げられていない[16]。しかしながら桂は、同様に黎明期のおもな脚本家・監督として挙げた人物のうち、藤田潤一が岡野進の名で監督した初期作『熱い夜』[17]、あるいは水野洽が片岡均の名で初めて独立系成人映画を監督した作品である『女の十戒』[18]に出演しており[1][13][16]、『漁色』(監督沢賢介、1965年7月28日公開)や『女の林』(監督山崎福二郎、1965年8月25日公開)ではすでに主演している、独立系成人映画の黎明期の女優である[11]

1966年(昭和41年)9月、国映が香取環、松井康子、谷口朱里可能かず子飛鳥公子清水世津奈加公子美矢かほる、橘桂子といった成人映画スター女優を結集した『悲器』(監督湯浅浪男)を公開、桂もこれに出演した[11]。1968年(昭和43年)7月10日には、まだロマンポルノを開始していない時期の日活が配給した外部作品の成人映画『艶説 明治邪教伝』(監督土居通芳)が公開され、桂はこれに出演している[1][8][9][12]。同作は、高橋昌也の相手役として内田高子が出演したほか、千月のり子[19]、梓マリ[20]といった独立系の女優が多く出演した[8][9][12]。同年10月26日に松竹が配給して公開された『恐喝こそわが人生』は、東映東京撮影所出身の深作欣二松竹大船撮影所で監督した作品であり、これにも桂は出演している[1][8][9]。同作は桂が出演した、最初で最後の成人指定されていない「一般映画」である[8]

実演の舞台にも出演しており[21]、東京・有楽町日劇ミュージックホールで1967年(昭和42年)に上演された『蒼い海辺にピンクのヴィーナス』(構成・演出平田稲雄)に出演している[22]。同時期に日劇ミュージックホールの舞台に上がった独立系の女優には、桂のほか、内田高子、二條朱実らがいる[21]

1970年(昭和45年)1月に公開された『アッ!とおどろくセックスパトロン』(監督関孝二)に主演した記録が残っているが[1][3][4][7]、同作以降の劇場用映画、テレビ映画ともに出演歴が見当たらない[1][2][3][4][5][7][8][9][10][11][12][13][14][23]。ただしこの時期の作品記録が掲載されている『映画年鑑 1973』において、独立系の映画作品については監督名や製作・配給会社名以外記載されておらず、この時期の出演者が概して不明である[3]。満25歳になる年であった[1][5][9]。以降の消息は知られておらず、存命であれば2014年(平成26年)には満69歳である。

再評価[編集]

2005年(平成17年)7月、シネマアートン下北沢で行なわれた「大和屋竺作品集」の特集上映で、主演作『引き裂かれたブルーフィルム』(監督東元薫)が上映された[24]。2009年(平成21年)3月14日 - 同年5月15日にラピュタ阿佐ヶ谷で行なわれた「60年代まぼろしの官能女優たち」の特集上映で、『悲器』(5月9日 - 同15日)が16mmフィルム版上映用プリントで上映された[25]。2010年(平成22年)6月19日 - 同年7月9日にシネマヴェーラ渋谷で行なわれた「足立正生の宇宙」の特集上映で、『堕胎』(監督足立正生)が35mmフィルムニュープリントで上映された[26]。2012年(平成24年)9月28日 - 同29日、神戸映画資料館で行われた「プロ鷹クロニクル PART-1」特集上映では主演作『或る色魔』(監督木俣堯喬)が、同じく9月30日 - 10月1日の「プロ鷹クロニクル PART-2」特集上映では『裸体の街』(監督木俣堯喬)が、それぞれ16mmフィルム版上映用プリントで上映された[27]

フィルモグラフィ[編集]

クレジットはすべて「出演」である[1][2][3][4][5][7][8][9][10][11][12][13][14]東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)、デジタル・ミーム等の所蔵・現存状況についても記す[7][13]

ビブリオグラフィ[編集]

国立国会図書館蔵書等にみる書誌である[6]

  • 巻頭ピンナップ : 『成人映画』第3号所収、現代工房、1965年10月発行
  • グラビア : 『ユーモアグラフ』昭和41年6月号所収、パン・フォト・プレス、1966年6月発行
  • 「あるヌード女優の遍歴」桂奈美 : 『週刊新潮』昭和41年12月3日号(48号)所収、新潮社、1966年12月3日発行
  • グラビア : 『チャーム・フォトDELUXE』昭和42年1月号所収、パン・フォト・プレス、1967年1月発行
  • グラビアカラーピンナップ : 『漫画読本』昭和42年7月号所収、文藝春秋、1967年7月発行
  • 『成人映画』41号、現代工房、1969年6月発行、表紙
  • 「ベッドでインタビュー」桂奈美 : 『プレイパンチ』昭和45年3月臨時増刊号所収、檸檬社、1970年3月発行
  • 「ワイド特集 ピンク映画女優の世界」桂奈美・一星ケミ白川和子小島マリ : 『Pocketパンチ Oh!』昭和45年3月号所収、平凡出版、1970年3月発行
  • 『Pocketパンチ Oh!』昭和45年12月1日号所収、平凡出版、1970年12月1日発行

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m キネ旬[1980], p.194.
  2. ^ a b c d e f 年鑑[1967], p.324-331.
  3. ^ a b c d e f g 年鑑[1973], p.137-138, 153.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n キネ旬[1973], p.26, 39, 69, 77, 88, 101, 103, 116, 118, 124.
  5. ^ a b c d e f 桂奈美jlogos.com, エア、2014年9月11日閲覧。
  6. ^ a b 国立国会図書館サーチ検索結果、国立国会図書館、2014年9月11日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 桂奈美東京国立近代美術館フィルムセンター、2014年9月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i 桂奈美、日本映画情報システム、文化庁、2014年9月11日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i 桂奈美KINENOTE, 2014年9月11日閲覧。
  10. ^ a b c 桂奈美allcinema, 2014年9月11日閲覧。
  11. ^ a b c d e 桂奈美日本映画データベース、2014年9月11日閲覧。
  12. ^ a b c d e 桂奈美日活、2014年9月11日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g h 桂奈美デジタル・ミーム、2014年9月11日閲覧。
  14. ^ a b c Nami Katsura, インターネット・ムービー・データベース (英語)、2014年9月11日閲覧。
  15. ^ 女の十戒、2014年9月11日閲覧。
  16. ^ a b 田中[1976], p.85-86.
  17. ^ 藤田潤八岡野進 - 日本映画データベース、2014年9月11日閲覧。
  18. ^ 水野洽 - 日本映画データベース、2014年9月11日閲覧。
  19. ^ 千月のり子 - 日本映画データベース、2014年9月11日閲覧。
  20. ^ 梓マリ - 日本映画データベース、2014年9月11日閲覧。
  21. ^ a b 日劇ミュージックホールと映画人木全公彦マーメイドフィルム、2014年9月11日閲覧。
  22. ^ 東宝[1967], 表紙。
  23. ^ 桂奈美 - テレビドラマデータベース、2014年9月11日閲覧。
  24. ^ 『引き裂かれたブルーフィルム』(監督・梅沢薫、脚本・大和屋竺)について井川耕一郎、2006年10月6日付、2014年9月11日閲覧。
  25. ^ a b 60年代まぼろしの官能女優たちラピュタ阿佐ヶ谷、2014年9月11日閲覧。
  26. ^ a b 足立正生の宇宙シネマヴェーラ渋谷、2014年9月11日閲覧。
  27. ^ a b c 上映プログラム神戸映画資料館、2012年9月付、2014年9月11日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

画像外部リンク
熱い夜
1965年7月4日公開
東京放映新東宝興業
女の林
1965年8月25日公開
国際ビデオ・新東宝映画)
堕胎
1966年11月1日公開
若松プロダクション
女のふくらみ
1966年7月公開
メトロ芸能社映画部関東映配
媚薬の罠
1966年11月公開
新日本映画国映
恐怖のサディスト 異常性犯罪
1968年4月公開
(新日本映画・国映)
艶説 明治邪教伝
1968年7月10日公開
テアトルプロダクション日活
新 人生四十八手裏表
1968年8月公開
(上松プロダクション・日映
桂奈美
(撮影時期不明)