1983年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

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1983年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
フィラデルフィア・フィリーズ 3
ロサンゼルス・ドジャース 1
シリーズ情報
試合日程 10月4日–8日
観客動員 4試合合計:22万3914人
1試合平均:05万5979人
MVP ゲイリー・マシューズ(PHI)
殿堂表彰者 スティーブ・カールトン(PHI投手)
ジョー・モーガン(PHI内野手)
トニー・ペレス(PHI内野手)
マイク・シュミット(PHI内野手)
トミー・ラソーダ(LAD監督)
ダグ・ハーヴェイ(審判員)
チーム情報
フィラデルフィア・フィリーズ(PHI)
シリーズ出場 3年ぶり5回目
GM ポール・オーウェンズ
監督 ポール・オーウェンズ(兼任)
シーズン成績 90勝72敗・勝率.556
東地区優勝

ロサンゼルス・ドジャース(LAD)
シリーズ出場 2年ぶり5回目
GM アル・キャンパニス
監督 トミー・ラソーダ
シーズン成績 91勝71敗・勝率.562
西地区優勝

 < 1982
NLCS
1983

1984 > 

 < 1982
ALCS
1983

1984 > 
ワールドシリーズ

1983年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月4日に開幕した。ナショナルリーグの第15回リーグチャンピオンシップシリーズ(15th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から8日にかけて計4試合が開催された。その結果、フィラデルフィア・フィリーズ東地区)がロサンゼルス・ドジャース西地区)を3勝1敗で下し、3年ぶり4回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは、1977年1978年に次いで5年ぶり3度目で、過去2度はいずれもドジャースが制している。また、この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、ドジャースが11勝1敗と勝ち越していた[1]。その12試合の内容も一方的で、ドジャース11勝のうち5勝が零封で3勝が1失点、総得点はフィリーズの15点に対しドジャースは49点だった[2]。しかし今シリーズは、フィリーズが下馬評を覆して制した。フィリーズは、1950年のリーグ優勝時は若手選手が多く "Whiz Kids"(「神童」)との異名をとったのに対し、今回の優勝時は高齢のベテラン選手が多く "Wheeze Kids"(「息切れ坊や」)と呼ばれた[3]シリーズMVPには、優勝を決めた第4戦で先制・決勝の3点本塁打を放つなど、4試合で打率.429・3本塁打・8打点OPS 1.571という成績を残したフィリーズのゲイリー・マシューズが選出された。しかしフィリーズは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者ボルチモア・オリオールズに1勝4敗で敗れ、3年ぶり2度目の優勝を逃した。

試合結果[編集]

1983年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月4日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月04日(火) 第1戦 フィラデルフィア・フィリーズ 1-0 ロサンゼルス・ドジャース ドジャー・スタジアム
10月05日(水) 第2戦 フィラデルフィア・フィリーズ 1-4 ロサンゼルス・ドジャース
10月06日(木) 移動日
10月07日(金) 第3戦 ロサンゼルス・ドジャース 2-7 フィラデルフィア・フィリーズ ベテランズ・スタジアム
10月08日(土) 第4戦 ロサンゼルス・ドジャース 2-7 フィラデルフィア・フィリーズ
優勝:フィラデルフィア・フィリーズ(3勝1敗 / 3年ぶり4度目)

第1戦 10月4日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回表、マイク・シュミットのソロ本塁打でフィリーズが先制(45秒)
初回裏、フィリーズ先発投手スティーブ・カールトンが一塁走者スティーブ・サックスを牽制でアウトに仕留める(51秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
フィラデルフィア・フィリーズ 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 5 1
ロサンゼルス・ドジャース 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 0
  1. スティーブ・カールトン(1勝)  ジェリー・ロイス(1敗)  Sアル・ホランド(1S)  
  2. 本塁打
    PHI:マイク・シュミット1号ソロ
  3. 審判
    [球審]テリー・テイタ
    [塁審]一塁: ディック・ステーロ、二塁: ジョン・マクシェリー、三塁: リー・ウェイヤー
    [外審]左翼: ダグ・ハーヴェイ、右翼: ジェリー・クロフォード
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間17分 観客: 4万9963人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
フィラデルフィア・フィリーズ ロサンゼルス・ドジャース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 J・モーガン 1 S・サックス
2 P・ローズ 2 B・ラッセル
3 M・シュミット 3 D・ベイカー
4 S・レスカーノ 4 P・ゲレーロ
5 G・マシューズ 5 M・マーシャル
6 G・マドックス 6 S・イェーガー
7 B・ディアス 7 K・ランドロー
8 I・デヘスース 8 D・トーマス
9 S・カールトン 9 J・ロイス
先発投手 投球 先発投手 投球
S・カールトン J・ロイス

第2戦 10月5日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
フィラデルフィア・フィリーズ 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 7 2
ロサンゼルス・ドジャース 1 0 0 0 2 0 0 1 X 4 6 1
  1. フェルナンド・バレンズエラ(1勝)  ジョン・デニー(1敗)  Sトム・ニーデンフューアー(1S)  
  2. 本塁打
    PHI:ゲイリー・マシューズ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ディック・ステーロ
    [塁審]一塁: ジョン・マクシェリー、二塁: リー・ウェイヤー、三塁: ダグ・ハーヴェイ
    [外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: テリー・テイタ
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間44分 観客: 5万5967人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
フィラデルフィア・フィリーズ ロサンゼルス・ドジャース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 J・モーガン 1 S・サックス
2 P・ローズ 2 G・ブロック
3 M・シュミット 3 D・ベイカー
4 S・レスカーノ 4 P・ゲレーロ
5 G・マシューズ 5 K・ランドロー
6 G・マドックス 6 M・マーシャル
7 B・ディアス 7 B・ラッセル
8 I・デヘスース 8 J・フィンプル
9 J・デニー 9 F・バレンズエラ
先発投手 投球 先発投手 投球
J・デニー F・バレンズエラ

第3戦 10月7日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ロサンゼルス・ドジャース 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 4 0
フィラデルフィア・フィリーズ 0 2 1 1 2 0 1 0 X 7 9 1
  1. チャールズ・ハドソン(1勝)  ボブ・ウェルチ(1敗)  
  2. 本塁打
    LAD:マイク・マーシャル1号2ラン
    PHI:ゲイリー・マシューズ2号ソロ
  3. 審判
    [球審]ジョン・マクシェリー
    [塁審]一塁: リー・ウェイヤー、二塁: ダグ・ハーヴェイ、三塁: ジェリー・クロフォード
    [外審]左翼: テリー・テイタ、右翼: ディック・ステーロ
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間51分 観客: 5万3490人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ロサンゼルス・ドジャース フィラデルフィア・フィリーズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 S・サックス 1 J・モーガン
2 G・ブロック 2 P・ローズ
3 D・ベイカー 3 M・シュミット
4 P・ゲレーロ 4 J・ラフィーバー
5 K・ランドロー 5 G・マシューズ
6 M・マーシャル 6 G・グロス
7 B・ラッセル 7 B・ディアス
8 J・フィンプル 8 I・デヘスース
9 B・ウェルチ 9 C・ハドソン
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ウェルチ C・ハドソン

第4戦 10月8日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回裏、ゲイリー・マシューズの3点本塁打でフィリーズが先制(1分23秒)
9回表、アル・ホランドがビル・ラッセルを空振り三振に仕留めて試合終了、フィリーズのリーグ優勝が決定(1分31秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ロサンゼルス・ドジャース 0 0 0 1 0 0 0 1 0 2 10 0
フィラデルフィア・フィリーズ 3 0 0 0 2 2 0 0 X 7 13 1
  1. スティーブ・カールトン(2勝)  ジェリー・ロイス(2敗)  
  2. 本塁打
    LAD:ダスティ・ベイカー1号ソロ
    PHI:ゲイリー・マシューズ3号3ラン、シクスト・レスカーノ1号2ラン
  3. 審判
    [球審]リー・ウェイヤー
    [塁審]一塁: ダグ・ハーヴェイ、二塁: ジェリー・クロフォード、三塁: テリー・テイタ
    [外審]左翼: ディック・ステーロ、右翼: ジョン・マクシェリー
  4. 夜間試合 試合時間: 2時間50分 観客: 6万4494人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ロサンゼルス・ドジャース フィラデルフィア・フィリーズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 S・サックス 1 J・モーガン
2 B・ラッセル 2 P・ローズ
3 P・ゲレーロ 3 M・シュミット
4 D・ベイカー 4 S・レスカーノ
5 M・マーシャル 5 G・マシューズ
6 S・イェーガー 6 G・マドックス
7 K・ランドロー 7 B・ディアス
8 D・トーマス 8 I・デヘスース
9 J・ロイス 9 S・カールトン
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ロイス S・カールトン

脚注[編集]

  1. ^ "1983 Los Angeles Dodgers Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年2月20日閲覧。
  2. ^ Murray Chass, "A FAN'S GUIDE; CRYSTAL BALLS AND STRIKES," The New York Times, September 29, 1985. 2021年2月20日閲覧。
  3. ^ Stan Hochman, Daily News Columnist, "Wheeze Kids tapped fountain of youth in 1983," Inquirer.com, June 25, 2013. 2021年2月20日閲覧。

外部リンク[編集]