島根県第1区
島根県第1区 | |
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行政区域 | 松江市、安来市、雲南市、仁多郡、飯石郡、隠岐郡 (2024年1月1日現在) |
比例区 | 中国ブロック |
設置年 | 1994年 (2002年・2022年区割変更) |
選出議員 | 亀井亜紀子 |
有権者数 | 256,129人 1.130 倍(一票の格差・鳥取1区との比較) (総務省・2023年9月1日) |
島根県第1区(しまねけんだい1く)は、日本の衆議院における選挙区。1994年(平成6年)の公職選挙法改正で設置。2002年(平成14年)と2022年(令和4年)に区割りの変更が行われた。
区域
[編集]現在の区域
[編集]2022年(令和4年)公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2]。出雲市と雲南市の分割は解消された(雲南市全域は本区へ、出雲市全域は2区へ)ほか、飯石郡は2区から本区に変更された。
2002年から2022年までの区域
[編集]2013年(平成25年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[3][4]。
2002年(平成14年)公職選挙法改正から2013年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[5]。
2002年以前の区域
[編集]1994年(平成6年)公職選挙法改正から2002年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[6]。
歴史
[編集]小選挙区制導入以来、中選挙区時代(島根県全県区)から細田家(細田吉蔵、博之)が二代にわたって築き上げた強固な地盤や後援組織を背景に、自民党の細田博之が連続当選していた保守王国の一つである。細田は同郷の竹下登元首相から「私の次に選挙に詳しい」と高く評価されるほど、選挙には極めて強かった。2005年の総選挙の際は内閣官房長官、2009年の総選挙の際は党幹事長、2012年の総選挙の際は党総務会長、2014年の総選挙の際は幹事長代行の要職にあり、ほとんど選挙区に入れなかったが、常に他候補に圧勝し、無風選挙の様相を呈していた。ただし、2009年総選挙では民主党候補の小室寿明に久々の比例復活を許した。
2017年の総選挙では希望の党への合流に参加せず立憲民主党に参加した亀井亜紀子が非自民の候補としては2009年以来の比例復活を果たした。なお、亀井の得票数65,285票は、同区での非自民の得票数としては2009年に次ぐ第2位であった。
2021年の総選挙では無所属の亀井彰子が出馬し、同姓で同じ読み方の亀井亜紀子との間に按分票が発生。亀井亜紀子側は投票する際に「かめい亜紀子」で書くよう注意を呼び掛けたが結果は細田が快勝し、亀井亜紀子は比例復活できず、亀井彰子に至っては供託金も没収された。なお仮に亀井彰子の票が全て亀井亜紀子のものだったとした場合でも、惜敗率は約78%となり、比例復活に届かなかった[7]ため按分票は選挙結果に影響を与えていない[8]。細田は選挙後の同年11月10日に衆議院議長に就任した。
2023年11月10日、細田が死去[9]。2024年4月28日に、2022年の変更以前の区割りで補欠選挙が実施され、自民党も新人候補を擁立した[10]が、細田も会長を務めた清和政策研究会(安倍派)において、政治資金パーティー収入の裏金問題が発覚して有権者からの非難を浴び、前回の総選挙で落選した亀井が7年ぶりに返り咲くと同時に現行の小選挙区制度下で、島根県の選挙区において非自民候補が議席を獲得する初の結果となった。
2024年の総選挙では、前回比例単独で当選していた自民党の高階恵美子を破り、再び亀井が小選挙区で当選した。
小選挙区選出議員
[編集]選挙名 | 年 | 当選者 | 党派 | 備考 |
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第41回衆議院議員総選挙 | 1996年(平成8年) | 細田博之 | 自由民主党 | 旧区域 |
第42回衆議院議員総選挙 | 2000年(平成12年) | |||
第43回衆議院議員総選挙 | 2003年(平成15年) | |||
第44回衆議院議員総選挙 | 2005年(平成17年) | |||
第45回衆議院議員総選挙 | 2009年(平成21年) | |||
第46回衆議院議員総選挙 | 2012年(平成24年) | |||
第47回衆議院議員総選挙 | 2014年(平成26年) | |||
第48回衆議院議員総選挙 | 2017年(平成29年) | |||
第49回衆議院議員総選挙 | 2021年(令和3年) | |||
第49回衆議院議員補欠選挙 | 2024年(令和6年) | 亀井亜紀子 | 立憲民主党 | ※細田博之の死去に伴う[12] |
第50回衆議院議員総選挙 |
選挙結果
[編集]時の内閣:石破内閣 解散日:2024年10月9日 公示日:2024年10月15日
当日有権者数:25万2586人 最終投票率:58.11%(前回比:3.12%) (全国投票率:53.85%(2.08%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 亀井亜紀子 | 59 | 立憲民主党 | 前 | 73,484票 | 51.08% | ―― | ○ | |
高階恵美子 | 60 | 自由民主党 | 前 | 63,238票 | 43.96% | 86.06% | 公明党推薦 | ○ | |
村穂江利子 | 56 | 日本共産党 | 新 | 7,142票 | 4.96% | 9.72% |
当日有権者数:261,190人 最終投票率:54.62%
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
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当 | 亀井亜紀子 | 58 | 立憲民主党 | 元 | 82,691票 | 58.82% | |
錦織功政 | 55 | 自由民主党 | 新 | 57,897票 | 41.18% | 公明党推薦 |
時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:26万8337人 最終投票率:61.23%(前回比:2.06%) (全国投票率:55.93%(2.25%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
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当 | 細田博之 | 77 | 自由民主党 | 前 | 90,638票 | 56.02% | ―― | 公明党推薦 | |
亀井亜紀子 | 56 | 立憲民主党 | 前 | 66,847.067票 | 41.31% | 73.75% | 社会民主党島根県連合推薦・日本共産党島根県委員会支持 | ○ | |
亀井彰子 | 64 | 無所属 | 新 | 4,318.908票 | 2.67% | 4.77% | × |
- 読み仮名がいずれも「かめいあきこ」となる候補が2人立候補したため、按分票が発生した[13][14][15]。島根県と各市町村の選挙管理委員会は公職選挙法の規定により、按分票の判断基準を各開票所の管理者に委ねていた[16]。
- 市町村別は右のリンクから[注 1]
時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:27万6774人 最終投票率:59.17%(前回比:1.23%) (全国投票率:53.68%(1.02%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
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当 | 細田博之 | 73 | 自由民主党 | 前 | 95,513票 | 59.40% | ―― | 公明党推薦 | |
比当 | 亀井亜紀子 | 52 | 立憲民主党 | 新 | 65,285票 | 40.60% | 68.35% | 社会民主党・民進党島根県連推薦 | ○ |
時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:27万5513人 最終投票率:57.94% (全国投票率:52.66%(6.66%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
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当 | 細田博之 | 70 | 自由民主党 | 前 | 100,376票 | 64.26% | ―― | 公明党推薦 | ○ |
和田章一郎 | 67 | 民主党 | 新 | 38,346票 | 24.55% | 38.20% | ○ | ||
上代善雄 | 60 | 日本共産党 | 新 | 17,479票 | 11.19% | 17.41% |
時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日 (全国投票率:59.32%(9.96%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
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当 | 細田博之 | 68 | 自由民主党 | 前 | 112,605票 | 64.67% | ―― | 公明党推薦 | ○ |
小室寿明 | 52 | 民主党 | 前 | 47,343票 | 27.19% | 42.04% | ○ | ||
吉儀敬子 | 61 | 日本共産党 | 新 | 14,173票 | 8.14% | 12.59% |
時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日 (全国投票率:69.28%(1.77%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 細田博之 | 65 | 自由民主党 | 前 | 122,595票 | 57.19% | ―― | ○ | |
比当 | 小室寿明 | 48 | 民主党 | 新 | 80,789票 | 37.69% | 65.90% | 国民新党推薦 | ○ |
石飛育久 | 33 | 日本共産党 | 新 | 8,923票 | 4.16% | 7.28% | |||
池田健一郎 | 29 | 幸福実現党 | 新 | 2,060票 | 0.96% | 1.68% |
- 小室は第44回は2区で落選。
時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日 (全国投票率:67.51%(7.65%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 細田博之 | 61 | 自由民主党 | 前 | 125,401票 | 60.52% | ―― | ○ | |
濱口和久 | 36 | 民主党 | 新 | 59,334票 | 28.64% | 47.32% | ○ | ||
上代善雄 | 51 | 日本共産党 | 新 | 12,786票 | 6.17% | 10.20% | |||
加納克己 | 61 | 社会民主党 | 新 | 9,675票 | 4.67% | 7.72% | ○ |
時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日 (全国投票率:59.86%(2.63%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 細田博之 | 59 | 自由民主党 | 前 | 117,897票 | 61.02% | ―― | ○ | |
濱口和久 | 35 | 民主党 | 新 | 61,071票 | 31.61% | 51.80% | ○ | ||
上代善雄 | 49 | 日本共産党 | 新 | 14,237票 | 7.37% | 12.08% |
時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日 (全国投票率:62.49%(2.84%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 細田博之 | 56 | 自由民主党 | 前 | 74,163票 | 50.92% | ―― | ○ | |
石橋大吉 | 68 | 民主党 | 前 | 37,323票 | 25.63% | 50.33% | ○ | ||
岩本久人 | 57 | 無所属の会 | 新 | 25,671票 | 17.63% | 34.61% | |||
吉川晴雄 | 48 | 日本共産党 | 新 | 8,484票 | 5.83% | 11.44% |
時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 (全国投票率:59.65%(8.11%))
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 推薦・支持 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当 | 細田博之 | 52 | 自由民主党 | 前 | 73,907票 | 52.12% | ―― | ○ | |
比当 | 石橋大吉 | 64 | 民主党 | 前 | 46,481票 | 32.78% | 62.89% | ○ | |
中林佳子 | 50 | 日本共産党 | 元 | 21,416票 | 15.10% | 28.98% | ○ |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 得票順。
細田博之 亀井亜紀子 亀井彰子 松江市 52,078 41,131 2,292 出雲市 8,250 4,706 197 安来市 10,398 8,114 846 雲南市 8,309 6,111 540 奥出雲町 4,458 2,533 191 海士町 929 505 54 西ノ島町 978 647 40 知夫村 277 144 5 隠岐の島町 4,961 2,952 149 計 90,638 66,847 4,318
出典
[編集]- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月23日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
- ^ “島根県”. 総務省. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第183回国会 制定法律の一覧 >衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律 法律第六十八号(平二五・六・二八)”. 衆議院 (2013年6月28日). 2021年10月2日閲覧。地名は2013年(平成25年)当時のものである。
- ^ “島根県”. 総務省. 2021年10月2日閲覧。
- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第154回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第九十五号(平一四・七・三一)”. 衆議院 (2002年7月31日). 2021年10月2日閲覧。地名は2002年(平成14年)当時のものである。
- ^ “衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月2日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。
- ^ “立憲民主党 中国ブロック 比例代表候補者 -衆院選- NHK”. 2021年11月4日閲覧。
- ^ ただし仮に亀井彰子の票が全て亀井亜紀子のものだった場合、比例中国ブロック次点の津村啓介の惜敗率77.3%を上回る。
- ^ "細田博之氏が死去 79歳 衆院議長を10月に辞任". 毎日新聞デジタル. 毎日新聞社. 9 November 2023. 2023年11月10日閲覧。
- ^ 同日に補選が行われた東京都第15区および長崎県第3区においては、自民党は候補者の擁立を断念したため、自民党が候補者を擁立したのは島根1区が唯一であった。
- ^ 韓国側での選挙区は浦項市南区・鬱陵郡である。
- ^ "細田博之氏が死去 79歳 衆院議長を10月に辞任". 毎日新聞デジタル. 毎日新聞社. 9 November 2023. 2023年11月10日閲覧。
- ^ 島根県:第49回衆議院議員総選挙開票速報 小選挙区島根県第1区 得票数速報 島根県、2021年11月4日閲覧。
- ^ 共同通信 (2021年10月19日). “2人の「かめいあきこ」 島根1区、案分票発生も | 共同通信”. 共同通信. 2021年10月20日閲覧。
- ^ “衆院選島根1区で同じ読み方の氏名の候補者が立候補 投票の注意点は?票の取り扱いは?”. FNNプライムオンライン. 2021年10月25日閲覧。
- ^ “選管判断分からずじまい 島根1区 氏名読み方同じ候補 9市町村全てで案分票 | 山陰中央新報デジタル”. 山陰中央新報デジタル (2021年11月2日). 2021年11月3日閲覧。