マガデーヴァ経

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マガデーヴァ経[1](マガデーヴァきょう、: Maghadeva-sutta, マガデーヴァ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第83経。『大天櫞林経』(だいてんえんりんきょう)[2]、『大天㮈林経』(だいてんなりんきょう)[3]とも。

類似の伝統漢訳経典としては、『中阿含経』(大正蔵26)の第67経「大天㮈林経」がある。

釈迦が、アーナンダに、かつてミティラーに存在したマガデーヴァ王一族の物語について説く。

構成[編集]

登場人物[編集]

場面設定[編集]

ある時、釈迦はミティラーにあるマガデーヴァのマンゴー園で微笑した。

それを見たアーナンダが理由を尋ねると、釈迦はかつてミティラーに存在したマガデーヴァ王一族の話を始める。

偉大な王であるマガデーヴァの一族は16万8千年王として統治し、白髪が出るに伴って王位を息子に譲って出家し、四無量心を修め梵天界へ転生して8万4千年法を修めるというサイクルを繰り返していたが、カラーラジャナカの代に、彼が出家しなかったため、その系譜が絶たれてしまった。

釈迦はそのマガデーヴァが自分の過去生であることを打ち明けつつ、かつての自分は人々を梵天界に導くまでだったが、現在の自分は涅槃にまで導くことを、八正道と共に述べる。

日本語訳[編集]

  • 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典3』(第11巻上) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 中部(マッジマニカーヤ)中分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 中部経典3』(第6巻) 中村元監修 春秋社

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『パーリ仏典』片山
  2. ^ 『南伝大蔵経』
  3. ^ 『原始仏典』中村

関連項目[編集]

外部リンク[編集]