川崎僚

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かわさき りょう
川崎 僚
本名 川崎 僚子
生年月日 (1986-11-17) 1986年11月17日(37歳)
出身地 日本の旗 日本 大分県大分市
職業 映画監督脚本家
ジャンル 映画
活動期間 2013年 -
事務所 SDP
公式サイト filmmaker RYO KAWASAKI Official site
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川崎 僚(かわさき りょう、1986年11月17日 - )は、日本映画監督脚本家女性大分県大分市出身。STARDUST DIRECTORS所属。

本名は川崎 僚子。性別で作品が評価されないよう、「子」を取り除いて「僚」と名乗って活動している[1]

来歴・人物[編集]

大分県大分市で生まれ育ち、映画好きの父親の影響で映画館によく通っていた。小学生の頃、三谷幸喜監督映画『ラヂオの時間』のポスターに惹かれ、どうしても見たいと兄に頼み込んで連れていってもらったエピソードがある[2]

地元の高校を卒業後、早稲田大学第二文学部の表現芸術系専修に進学し、演劇や映像の理論を学ぶ。伊丹十三や三谷幸喜の影響で脚本家を目指して選んだ大学だったが、ミュージカルの学生サークルに入ったことで出演側に興味を持つようになり、卒業後は舞台役者を目指した。しかし、役者としてはなかなか芽が出ず、一度大分の実家に帰ることとなる[2]

改めて原点に立ち返って脚本家を志望し、東京のシナリオ・センターに通う。沖田修一が講師を務めた講座の中で、短編作品の制作に活路を見出す。川崎は沖田に対して感謝の念を持っており、後年、沖田と出会った際に「監督が私の人生を変えたんですよ」と伝えている[2]

プロットライターとして映画ドラマの企画開発に携わる傍らで、ニューシネマワークショップ(NCW)に通い、演出面から映画製作を学ぶ。2013年にNCWの実習作品として短編映画『夏目の女』を監督し、これが川崎の処女作となる[3]。以降、『笑女クラブ』(2014年、小津安二郎記念蓼科高原映画祭・短編映画コンクール入賞)、『彼女のひまわり』(2017年)などといった短編映画を監督し、国内の映画祭に出品した。

2018年には川崎にとって初の長編映画である『wasted eggs』を監督。親から結婚を求められていた20代後半の自らの体験を元に制作した[4]。第22回タリン・ブラックナイツ映画祭英語版で日本映画唯一のコンペティション作品として選出されたり[5]、レッジョ・エミリア アジア映画祭の正式招待作品として国外で上映されたりしたのち、日本芸術センター第11回映像グランプリのノミネート作品として国内でも上映された。

2019年文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」に参加。短編映画『あなたみたいに、なりたくない。』を監督し、翌2020年2月より東京大阪名古屋にて自身初の劇場公開がなされた。

2020年12月には、前述の『笑女クラブ』などを含む短編4作品からなるオムニバス映画『SEASONS OF WOMAN』が劇場公開[6]。短編4作品は、約6年の年月をかけて完成された。

『SEASONS OF WOMAN』までは自主映画であるが、2021年以降は商業映画に携わりたい旨を語っている[7]

2021年1月よりSTARDUST DIRECTORSに所属[8]

2021年4月には前述の初長編映画『wasted eggs』が『Eggs 選ばれたい私たち』にタイトルを改め、テアトル新宿で公開[9]。2週間の上映最終日には内田英治との対談イベントも開催された[10]。テアトル梅田、アップリンク京都、アップリンク渋谷でも上映されるなど、全国順次公開。

作品[編集]

短編映画[編集]

  • 夏目の女(2013年)
  • 笑女クラブ(2014年) - オムニバス『SEASONS OF WOMAN』の一篇
  • AUTUMN OF WOMAN(2017年) - オムニバス『SEASONS OF WOMAN』の一篇
  • 彼女のひまわり(2017年) - オムニバス『SEASONS OF WOMAN』の一篇
  • あの海が泣いている(2019年)
  • あなたみたいに、なりたくない。(2020年)
  • 雪の女(2020年) - オムニバス『SEASONS OF WOMAN』の一篇

長編映画[編集]

テレビドラマ[編集]

MV[編集]

インターネットテレビ[編集]

  • おがせんせいのKDTV(2019年)演出

オーディオドラマ[編集]

  • クールな先輩とハツコイ模様(2021年、プリ小説)脚本
  • イケMEN!~3分だけのキュン彼氏~(2021年、プリ小説)脚本
  • アイドルのハウスキーパーになりました。(2021年、プリ小説)脚本
  • 色のない世界で、君と(2021年、プリ小説)脚本
  • 好きになるのはキミ限定(2022年、プリ小説)脚本
  • 透明なフィルムの向こう側で息をする(2023年、プリ小説)脚本

参加作品[編集]

著書[編集]

  • 生罪〜名も呼ばれぬ妹へ〜(2018年、ブリジット出版) ※電子書籍

出典[編集]

  1. ^ 川崎僚(インタビュアー:此花わか)「30歳という「賞味期限」に急かされる女性たち。私たちはなぜ「選ばれたい」のか」『FRaU』、講談社、2021年4月6日https://gendai.media/articles/-/819482021年4月18日閲覧 
  2. ^ a b c 性別の呪縛から解き放つ 「Eggs 選ばれたい私たち」の川崎僚監督”. スクリーンとともに. シネマティックな人々 (2021年3月31日). 2021年4月18日閲覧。
  3. ^ “川崎僚監督『SEASONS OF WOMAN』併映作品情報解禁!at 池袋シネマ・ロサ”. 映画情報どっとこむ. (2020年10月23日). https://eigajoho.com/190422 2020年11月16日閲覧。 
  4. ^ 川崎僚(インタビュアー:熊野雅恵)「「産む」「産まない」は自分で決めたい。『Eggs 選ばれたい私たち』川崎僚監督インタビュー」『ハーバー・ビジネス・オンライン』、扶桑社、2021年4月16日https://hbol.jp/2419572021年4月18日閲覧 
  5. ^ OB川崎僚監督の初長編がエストニアの映画祭にノミネート!”. 映画学校のニューシネマワークショップ(NCW) (2018年11月21日). 2020年11月16日閲覧。
  6. ^ “根矢涼香が主演、女性の人生とともに巡る四季描くオムニバス映画公開”. 映画ナタリー. (2020年9月30日). https://natalie.mu/eiga/news/398613 2020年11月16日閲覧。 
  7. ^ 川崎僚(インタビュー)「『 SEASONS OF WOMAN 』監督・脚本・編集 川崎僚さん」『シナリオ・センター』、2020年11月12日https://www.scenario.co.jp/online/26950/2021年1月19日閲覧 
  8. ^ 川崎僚 [@ryokawasaki1117] (2021年1月6日). "【ご報告】 2021年1月より、 STARDUST DIRECTORSに所属することになりました。". X(旧Twitter)より2021年1月19日閲覧
  9. ^ “産まなくても母になりたい、2人の女性描く「Eggs 選ばれたい私たち」公開”. 映画ナタリー. (2020年11月24日). https://natalie.mu/eiga/news/405952 2021年1月4日閲覧。 
  10. ^ 川崎僚 [@ryokawasaki1117] (2021年4月16日). "映画「Eggs選ばれたい私たち」 昨日の夜、大好きなテアトル新宿での最後の上映でした。". X(旧Twitter)より2021年4月18日閲覧
  11. ^ “深田竜生×矢花黎×田鍋梨々花×吉田美月喜が主演 『マイストロベリーフィルム』放送決定”. RealSound映画部 (blueprint). (2024年1月25日). https://realsound.jp/movie/2024/01/post-1554661.html 2024年1月29日閲覧。 

外部リンク[編集]