SURVIVE

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SURVIVE
B'zスタジオ・アルバム
リリース
録音 1996年12月、1997年2月 - 8月
ジャンル
時間
レーベル Rooms RECORDS
プロデュース 松本孝弘
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1998年度年間10位(オリコン)
ゴールドディスク
  • 2ミリオン(日本レコード協会[1]
  • B'z アルバム 年表
    • SURVIVE
    • (1997年)
    『SURVIVE』収録のシングル
    1. FIREBALL
      リリース: 1997年3月5日
    2. Calling
      リリース: 1997年7月9日
    3. Liar! Liar!
      リリース: 1997年10月8日
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    SURVIVE』(サヴァイヴ)は、日本音楽ユニットB'zが、1997年11月19日にRooms RECORDSからリリースした、9作目のオリジナル・アルバムである。

    概要[編集]

    前作『LOOSE』同様、通常盤のみの発売で、ブックレット(写真集)とCDケースを入れる紙製の三方背スリーブケースが付属しており、ブックレットの36ページ目の写真は2バージョンある。本作はCD EXTRA仕様となっており、1997年当時のパソコンに本作のCDを入れると、B'zの画像と曲の歌詞、「Liar! Liar!」のPVが見ることができた。

    ジャケット写真は、ニューオリンズにあるライブハウス「プリザベーション・ホール」で撮影された[2]

    B'zの結成10周年を迎える直前の作品であり、これまでの集大成と位置付けされる。後に一時期アレンジ・ツアーサポートとして参加することとなる徳永暁人が初めて全面的に参加した。アルバムタイトル『SURVIVE』は某海外ミュージシャンの「(若いミュージシャンにむけて)頑張ってSURVIVEしてくれ」というインタビューを読んで、「もがいてあがいてSURVIVEする。それが美しいと思った。」という想いからつけられた。前作ではハワイでプリプロが行われたが、今回は沖縄福岡で行われた。

    当時、松本は本作について「『LOOSE』を超えたと思う」「現時点での僕らの最高傑作」と評しており、2002年のインタビューでも「聴き直して一番しっくりきた」とコメントしている。また、2013年には稲葉が「B'zのNo.1アルバムは?」との問いに本作を挙げており[3]、2018年にも「とても好きなアルバムです」と述べると共に「それ以前とは違う新しいB'z、いわゆる自分たちが育てられたROCKのテイストを持ちながら新しいものと融合させて作ったアルバム」と評している[4]

    前作『LOOSE』以降に発売されたシングルのうち、「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜」、「MOVE」、「Real Thing Shakes」は未収録となった。また、「あなたならかまわない」はこの時期のアウトテイクである[5]

    本作は6thアルバム『RUN』以来、ライブツアーを通してアルバムの収録曲が全曲演奏された。以降は19thアルバム『EPIC DAY』まで収録曲が全曲演奏されたアルバムは存在しない。

    初週でミリオン達成、累計売上172.3万枚を記録している。

    第12回日本ゴールドディスク大賞でロック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した[6]

    2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された[7]

    収録曲[編集]

    CD
    全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘。
    #タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
    1.「DEEP KISS」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    2.「スイマーよ!!」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    3.「Survive」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    4.Liar! Liar!稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    5.「ハピネス」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    6.FIREBALL稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志
    7.「Do me」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    8.「泣いて 泣いて 泣きやんだら」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    9.「CAT」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    10.「だったらあげちゃえよ」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    11.「Shower」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    12.Calling稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人・池田大介
    合計時間:

    楽曲解説[編集]

    1. DEEP KISS
      本作の制作過程で12曲目に制作された。
      心臓の鼓動音がだんだん大きくなり、その後いきなり激しいギター音で始まる楽曲(途中で笑い声も聞こえる)。
      冒頭の鼓動音や救急車のサイレンの音のサンプリングも用いられ、曲の最後ではモーグ・シンセサイザーをフィルターの代わりに使用して稲葉の声を犬の鳴き声のような音に仕上げている[8]
      松本曰く「メロディが完成した後、アレンジは後に楽しみにとっておいた。いざアレンジに取り掛かったら、編曲は一日で仕上がった」とのこと。
      2003年に行われた「B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"」のホール公演で約5年ぶりに演奏された。
    2. スイマーよ!!
      タイトルは、雑誌『鳩よ!』が元になっているらしい。
      打ち込み主体の楽曲で、編曲を担当した徳永暁人のテイストが色濃く出ている。
      沖縄で制作され、元々は大人っぽい雰囲気のメロウな曲だったという。
      31stシングル『ultra soul』の2nd beatには一部の歌詞を変更・追加した新録バージョンが収録された。
      ベスト・アルバムB'z The Best "Treasure"』の収録曲を決めるファン投票では15位に入った。『B'z The Best "ULTRA Treasure"』のファン投票でも15位となり収録された[9]
      1997年の『ミュージックステーションスーパーライブ』出演時には、「Calling」と共に披露された。
      2000年に発売されたライブ映像作品『once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99 "Brotherhood"〜』の発売前に「映像化して欲しいライブ映像」のリクエストを募集したところ1位を獲得し、同作ではボーナス・トラックとして『B'z LIVE-GYM '98 "SURVIVE"』で演奏された模様が収録されている。
    3. Survive
      本作の制作過程で7曲目に制作された。
      表題曲であるが、アルバムタイトルが全て大文字なのに対し、楽曲の方は頭文字のみ大文字となっている。
      歌詞が出来たところでアルバムタイトルにしようということになった。
      メンバー曰く「今の気分が反映されている」。
      2013年に行われた『B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』のホール公演で約15年ぶりに演奏された際には、歌詞の一部が変更された。
    4. Liar! Liar!
      23rdシングル及び、本作の先行シングル。
      本作の制作過程で最後(13曲目)に制作された曲。
      アルバムのために作られたが、出来が良かったためシングル曲になった。
    5. ハピネス
      テレビ朝日系ドラマ『ガラスの仮面2』のエンディングテーマ。
      ボーカルは「素朴さ」を重点に置いてレコーディングされた[8]
      松本はギターソロをアコースティック・ギターで演奏しており、仮で録ったテイクが採用されている。
      曲中で使用されたアコースティック・ギターは、マーティン社が1937年に製造したもの[10]
      元々はアウトロ後半部分にもオケ(伴奏)があったが、稲葉のファルセットによるコーラス主体のアレンジに改められた[10]
      バラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』に収録された他、『B'z The Best "ULTRA Treasure"』のファン投票で30位となり収録された[9]
      2008年に行われた『B'z LIVE-GYM 2008 "ACTION"』で約10年ぶりに演奏され、2013年に行われた『B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』でも演奏された。
    6. FIREBALL
      21stシングル。
      本作のレコーディング期間より前の1996年12月に完成していたが収録された。
    7. Do me
      元のタイトルは「DO-ME」。
      B'z LIVE-GYM Pleasure '97 "FIREBALL"』のリハーサル中にセッションして作られていった曲。
      同ツアーで未発表曲として披露され、要望が多かったため本作に収録された。
      当時披露された原曲と比べ歌詞やアレンジが大きく変更されている。
      「Liar! Liar!」が完成するまではシングル曲候補だった。
    8. 泣いて 泣いて 泣きやんだら
      元々は1994年頃に制作されていた曲。
      楽曲作成当初から「三連ロッカバラード」という構想があったものの、アレンジがなかなか決まらなかったが、稲葉から借りたフライングVの音色がきっかけで解決したという。
      エンディングのギターソロではボグナー英語版のアンプを使用している[10]
      歌詞は男性側が女性を慰めるシチュエーションで描かれている[10]
      バラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』にも収録された。
      2007年に行われた『B'z SHOWCASE 2007 -19-』で約9年ぶりに演奏され、2015年に行われたファンクラブ限定ライブ『B'z SHOWCASE 2015 -品川有頂天NIGHT-』でも演奏された。
    9. CAT
      本作の制作過程で2曲目に制作された。
      歌詞は手に負えない女性をネコにたとえたもの[8]
      歌い出しは、ユニゾンで1オクターブ上のキーで歌われたボーカルが重ねられている[8]
      PVも存在しており、サングラスにスーツという出で立ちで夜の街を歩きながら歌う稲葉の映像で構成されている。
    10. だったらあげちゃえよ
      沖縄で制作された楽曲。
      ブラスピアノをふんだんに取り入れられ、ファンク色が強い楽曲。
      CMでは、メンバーやスタッフ達が勢ぞろいして本曲を歌っている映像が流れた。
    11. Shower
      こちらも沖縄で制作された楽曲であり、歌詞も沖縄で泊まっていたホテルから見えた風景が元になっている。サビ前のファルセットのコーラスも沖縄のホテルですでに稲葉が歌っていたもの[8]
      フェンダーローズ打楽器が使用されている。
      ライブでは新潟と沖縄でのみ披露された。
    12. Calling
      22ndシングル。
      本作の制作過程で最初に制作された。
      「Liar! Liar!」とは逆に、最も完成に時間がかかった曲らしく、メンバー曰く「アルバムのレコーディングはこの曲で始まり、この曲で終わった」。
    13. スイマーよ!! (LIVE ver.)
      台湾盤、香港盤にのみ収録されているボーナス・トラック。音源は過去の映像作品のもの。
    14. Calling (LIVE ver.)
      台湾盤、香港盤にのみ収録されているボーナス・トラック。音源は過去の映像作品のもの。

    タイアップ[編集]

    シングル曲については各作品の項目を参照

    参加ミュージシャン[編集]

    ライブ映像作品[編集]

    シングル曲については各作品の項目を参照

    DEEP KISS

    スイマーよ!!

    Survive

    ハピネス

    泣いて 泣いて 泣きやんだら

    だったらあげちゃえよ

    脚注[編集]

    出典[編集]

    1. ^ GOLD ALBUM他 認定作品 1997年11月度(97年10月21日〜97年11月20日)」『The Record』第458号、日本レコード協会、1998年1月、9頁。 
    2. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、175頁。 
    3. ^ 『be with!』第97巻、B'z Party、2013年3月。 
    4. ^ 『be with!』第120巻、B'z Party、2018年12月。 
    5. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、248頁。 
    6. ^ 第12回日本ゴールドディスク大賞 / Gold Disc Hall of Fame 12th|THE GOLD DISC”. 日本レコード協会. 2019年11月23日閲覧。
    7. ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日). https://rockinon.com/news/detail/174432 2018年11月10日閲覧。 
    8. ^ a b c d e 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、57頁。 
    9. ^ a b “B'z The Beat “ULTRA Treasure”リクエスト集計最終結果 TOP30”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2008年7月16日). https://www.barks.jp/news/?id=1000041791 2019年11月23日閲覧。 
    10. ^ a b c d B'z liner notes 〜バラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』”. Music Freak Magazine. エムアールエム. 2019年11月23日閲覧。

    外部リンク[編集]