GREEN (B'zのアルバム)

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GREEN
B'zスタジオ・アルバム
リリース
録音 2002年1月 - 5月
ジャンル
時間
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース 松本孝弘
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • トリプル・プラチナ(日本レコード協会[2]
  • B'z アルバム 年表
    • GREEN
    • (2002年)
    『GREEN』収録のシングル
    1. ultra soul
      リリース: 2001年3月14日
    2. 熱き鼓動の果て
      リリース: 2002年6月5日
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    GREEN』(グリーン)は、日本の音楽ユニットB'zが、2002年7月3日にVERMILLION RECORDSからリリースした、12作目のオリジナル・アルバムである。

    概要[編集]

    前作『ELEVEN』から1年7ヶ月ぶりのオリジナル・アルバム[3]。アルバムタイトルの『GREEN』は「未熟さ」「青臭さ」の意味で、「自分達は、まだまだ(成熟していない)青二才である」という主張が盛り込まれているほか[4]、「若さ」の意味も含まれている。

    アルバムジャケットはラスベガスでレッドロックを背景に撮影され[5]、一部収録曲のミュージック・ビデオもラスベガスで撮影された[6]

    オリコンアルバムチャートで通算800作目の1位獲得作品で、B'zのオリジナル・アルバムでは初めてデジパックが採用された。

    第17回日本ゴールドディスク大賞でロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した[7]

    本作とシングル『野性のENERGY』、次作『BIG MACHINE』は専用の「B'z」ロゴマークが使われている[注 1]

    前作『ELEVEN』のレコーディングから継続して制作が行われ、途中で『B'z LIVE-GYM 2001 "ELEVEN"』とソロ活動を挟み、2002年1月よりレコーディングが再開され制作された。そのためこの期間にレコーディングされた楽曲は20曲程となり、その中からバランスを考慮してまとめたのが本作であった。

    5thアルバム『IN THE LIFE』以来の打ち込みを多用したポップス路線となっており、収録曲の半数のドラムが全編打ち込み[注 2]となっている。

    前作『ELEVEN』以降に発売されたシングルのうち、「GOLD」は未収録となった。

    かつてはオリジナル・アルバムで最も未演奏曲が多い作品だった[注 3]。また、オリジナル・アルバムでは現時点で最後のミリオンセラー作品となっている[注 4]

    2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された[8]

    収録曲[編集]

    CD
    全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘。
    #タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
    1.「STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人池田大介
    2.熱き鼓動の果て稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    3.「Warp」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    4.「SIGNAL」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    5.「SURFIN' 3000GTR」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    6.「Blue Sunshine」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・池田大介
    7.ultra soul (Alternative Guitar Solo ver.)」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    8.「美しき世界」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・池田大介
    9.「Everlasting」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人・池田大介
    10.「FOREVER MINE」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    11.「The Spiral」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    12.「GO★FIGHT★WIN」稲葉浩志松本孝弘松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    合計時間:

    楽曲解説[編集]

    1. STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜
      本アルバムの表題曲。しかし、本作では数少ないバンドサウンドの楽曲となっている。
      サブタイトルには、「初心忘るべからず」という意味が含まれている[4]
      RUN -1998 style-」のように、静かなコーラスからロックサウンドへと変わり始まる。ちなみに、このコーラスがアウトロにも付けられたバージョンも制作されており、『a BEAUTIFUL REEL. B'z LIVE-GYM 2002 GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜』のエンディングで確認できる。また、制作のデモ段階では「GREEN BOY」というコーラスも入っていた。
      PVは、ネオン置き場やリムジンのボンネットに座った2人が演奏しているシーンで構成されている。
      ライブではアルバムツアー以降長らく演奏されていなかったが、2013年の『B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』で約11年ぶりに演奏された。
    2. 熱き鼓動の果て
      33rdシングル。
      前曲の終了から間を置かずに曲が始まる。
    3. Warp
      「より疾走感のある曲が欲しい」という話が上がり、アルバム制作の終盤で制作された楽曲[9]
      B'zの楽曲は、基本的に曲先(メロディを先に作り後から歌詞を付けていく)で制作されるが、本曲は詞先(詞が先に出来ていて後から曲を合わせていく)で制作された。メロディと合わない部分や足りない部分はその度歌詞を訂正して完成させていったという[9]
    4. SIGNAL
      PlayStation 2用ゲーム『ときめきメモリアル Girl's Side』オープニングテーマ。
      歌詞は「今では…今なら…今も…」と同様、信号待ちを題材にしている[4]
    5. SURFIN' 3000GTR
      読み方は「サーフィン・スリーサウザンド・ジーティーアール」。
      元々は前作『ELEVEN』の頃に出来た曲で、曲名は「SURFIN' 2000」だった。本作への収録にあたって、2000年を過ぎてしまったので「3000」になり、稲葉の「車っぽい名前にしたい」という意見で「GT」が付き、さらに松本の意見で「R」が付いて、この不思議な曲名になった[10]
    6. Blue Sunshine
      シェーン・ガラースビリー・シーンが参加したハードなアレンジも存在していたが、アルバムの構成を考えて現在の緩やかなアレンジが採用された[11]
      アルバムツアー以降も『B'z SHOWCASE 2009 "B'z In Your Town"』、『B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-』、『B'z PARTY Presents B'z Pleasure in Hawaii』、『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』のDay3[12][13]で演奏され、いずれも稲葉がアコースティック・ギターを演奏した。
    7. ultra soul (Alternative Guitar Solo ver.)
      31stシングル。
      本作ではアルバムバージョン[注 5]として収録されている。"Alternative"は「別の」や「代わりの」という意味の英単語で、それが示すとおりシングルバージョンとは異なるギターソロとなっている[14]
      ちなみに、年を跨いでオリジナル・アルバムに収録された初めてのシングルとなった[注 6]
    8. 美しき世界
      『ときめきメモリアル Girl's Side』エンディングテーマ。
    9. Everlasting
      映画『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』主題歌。
      元々はゆったりとしたバラードだったらしいが、大幅なアレンジが加えられて現在の形になった[4]
      バスドラのパートは打ち込みであり、楽曲をサンプリングして更に細かく切ったもの。当初はバスドラのパートがないまま曲が完成しており、その部分を足したことで歌詞も変更している[15]
      後に発売されるバラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』にも収録されている。
    10. FOREVER MINE
      この曲もアレンジが数パターンあり、松本曰く「70年代ディスコみたいな」アレンジも存在していた[16]
      先述の通り、アルバムツアーでは演奏されず、『B'z LIVE-GYM 2008 "ACTION"』でライブで初演奏された。そのリハーサルで松本は「なんでこんな難しい曲作ったんだろう…」と嘆いていた[17]
    11. The Spiral
      打ち込みを多用した静かなパートとバンドサウンドによる激しいパートが交互に繰り返される曲構成で、最後は稲葉のボーカルだけで終了する。
    12. GO★FIGHT★WIN
      同年のツアーのサブタイトルともなっている。
      曲名は日本で言うところの「フレー! フレー!」など、欧米で応援時に使われる掛け声から付けられた[4]
      この曲のドラムも基本的に全編打ち込みであるが、シンバルのみ生音が使用されている。
      アルバムツアー後は、2007年に行われた『B'z SHOWCASE 2007 -B'z In Your Town-』の一部公演でも演奏された。

    タイアップ[編集]

    シングル曲については各作品の項目を参照

    参加ミュージシャン[編集]

    ライブ映像作品[編集]

    シングル曲については各作品の項目を参照

    STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜

    Warp

    SURFIN' 3000GTR

    Blue Sunshine

    Everlasting

    GO★FIGHT★WIN

    関連項目[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ バラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』とシングル『IT'S SHOWTIME!!』は、それぞれオリジナルロゴを使用。
    2. ^ 本作以降ベースまたはドラムが全編打ち込みの曲は「IT'S SHOWTIME!!」のシングルバージョンと「結晶」(いずれもドラムが全編打ち込み)を除き存在せず、大半の曲がバンドサウンドとなっている。
    3. ^ 「SIGNAL」、「美しき世界」、「FOREVER MINE」、「The Spiral」の4曲が未演奏だったが、約6年後の『B'z LIVE-GYM 2008 "ACTION"』で「FOREVER MINE」の初演奏により、ツアー前の年に発売された16thアルバム『ACTION』が最多(4/17曲)となった。
    4. ^ ベスト・アルバムを含めると『B'z The Best "ULTRA Pleasure"』が最後。
    5. ^ CDケースの背表紙には「ultra soul」としか表記されていないが、公式サイトや歌詞カードの曲目表記では「(Alternative Guitar Solo ver.)」と記載されている。
    6. ^ 同様のシングルは本曲と「OCEAN」、配信限定シングルの「UNITE」。

    出典[編集]

    1. ^ GREEN | B'z”. ORICON NEWS. oricon ME. 2023年2月9日閲覧。
    2. ^ GOLD ALBUM 他認定作品」『THE RECORD』2002年10月号、日本レコード協会、2002年10月10日、14頁。 
    3. ^ 待望のニューアルバム「GREEN」2002年7月3日リリース決定!!”. B'z Official Website. VERMILLION RECORDS. 2002年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月13日閲覧。
    4. ^ a b c d e 史上最強の青二才! B'z最新アルバム『GREEN』全曲紹介”. Music Freak Magazine. エムアールエム. 2022年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月23日閲覧。
    5. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、222頁。 
    6. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、175頁。 
    7. ^ 第17回ゴールドディスク大賞 受賞作品/アーティスト|THE GOLD DISC”. 日本レコード協会 (2003年). 2019年11月23日閲覧。
    8. ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日). https://rockinon.com/news/detail/174432 2018年11月10日閲覧。 
    9. ^ a b MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「Warp」の項)”. エムアールエム. 2019年10月16日閲覧。
    10. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、217頁。 
    11. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、245頁。 
    12. ^ B'z無観客配信ライブ「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day3」レポート”. ローソンチケット. 株式会社ローソンエンタテインメント. 2020年11月21日閲覧。
    13. ^ “B'z、無観客配信ライブ『Day3』 "道は違っても ひとりきりじゃないんだ" 今だからこそより響くメッセージ”. SPICE (イープラス). (2020年11月20日). https://spice.eplus.jp/articles/278922 2020年11月21日閲覧。 
    14. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、163頁。 
    15. ^ 『be with!』第56巻、B'z Party、2002年12月。 
    16. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、246頁。 
    17. ^ 『be with!』第80巻、B'z Party、2008年12月。 

    外部リンク[編集]